こんにちは。今日は冷たい雨ですね。

先日暫くお体の具合が悪くお休みされていた、御年81歳の生徒さんがレッスンにいらしてくれました。定年後65歳から、声が出にくくなったから発声をしたいとのご希望で歌を始めましたが、発表会で高齢の生徒さんに刺激を受けピアノも始められました。口癖は私は音楽音痴なので、子供の時から音楽を避けて通ってきたとのこと。そしてピアノはボケ防止になるのでやりたい、でした。

とても真面目な性格でコツコツと練習できるので、様々な曲に取り組むことができました。シニアの楽譜選びでは、名曲やオーケストラの曲を弾きやすく編曲したものが多くあり、何だかチャレンジすることを楽しんでいらしゃいます。

子供の頃からのピアノ教育で幼い頃に耳が育つのは、高齢から始めると覆すことができないこともありますが(音が聞き取りにくい、違いが聴いてわかりにくいなど)、しかし若い頃にはない時間の余裕、そしてなにより人生経験から醸し出される音楽の哀愁たるや、若者は足元にも及びません。また、高齢になって新たなことを楽しんで取り組むことが、本当にボケ防止につながると思います。私のように長年ピアノを弾いてきたものは、ある程度無意識に弾けることがあるのですが、大人でピアノを弾くことは、全てが新しい情報で毎回意識しないと弾けません。毎回意識する神経回路が、正に脳に刺激をもたらし、弾けてる私にはない刺激なのです!!(私はボケるかもしれない)

レッスンでは、次に弾く曲を私が色々弾いてみて、これいいですね!と合点した曲にしています。次は峠の我が家になりました。ご本人は弾くことに夢中で中々味わうところまでいかないと嘆いてらしゃいますが、ゆっくり丁寧に音楽を紐解き、練習することで、その人にしか弾けない「峠の我が家」になります。